子育てや日々の生活が仕事のヒントに

プロフィール

長 岡 恭 さん

株式会社東北消防設備 管理部長

昭和43年上山市生まれ。出産を機に、6年間勤めていた前職(総合商社)を退社し、家庭に入る。
9年間のブランク後、平成14年に株式会社東北消防設備に入社し、消防設備士の資格を取得。平成20年に社内初の女性部長となる。夫、子ども2人(大学院生、専門学校生)、義母の5人家族だが、現在、子ども達は東京で暮らしている。(次男が山形で就職するため、まもなく同居の予定。)

出産を機に退職

 上の子の出産を機に仕事を辞め、子育てに専念することにしました。決めた時は世の中に取り残されそうな不安もありましたが、息子達を連れて子育てサークルや手作りおもちゃのグループでの活動に参加したり、一緒にガーデニングを楽しんだりと充実した時間が持てました。その一方で、子どもが大きくなったら、また働きたいという気持ちはずっとありましたので、少しでもスキルアップができるようパソコン教室に通ったり、新聞を読み、社会の動きに目を配るなど再就職に向けて自己啓発に取り組みました。また、私が仕事復帰した時に困ることがないよう、息子達には小さい時から台所に立たせ、一緒に料理をすることを心がけました。

9年間のブランク後の再就職

 現在の会社に就職したのは長男が小学4年生の時。義母が定年退職を迎えたことも一つのタイミングでした。勤めてすぐは覚えることも多く、休みをとる余裕もありませんでしたが、その分、夫が休みを取って息子達の面倒をみてくれました。また、私が勤めるようになってからは、家事も協力してくれましたので、とても助かりました。
 入社6年後に社内初の女性部長を拝命しました。部長にならないかと打診された時は、驚き、一度はお断りしたのですが、その頃、自分以外は若い方ばかりでしたので、やはり自分がやるべきかと思い、覚悟を決め、引き受けさせていただきました。部長になった頃は、既に子ども達は高校生になり自分で行動できる年齢ではありましたが、受験期と重なっており、子どもにとっても大切な時期でした。仕事が忙しいことを理由に子どものことをおろそかにはしてはいけないと思い、事前に受験の資料を調べたり、学校からの連絡にも早めに対処するように心がけました。

仕事と子育ての相乗効果

大好きなガーデニングが癒しの時間

 役職について4か月経った頃に義父が亡くなりました。その時の就業規則では、嫁ぎ先の両親が亡くなった場合は実両親と比べ忌引き休暇の日数が少ないなど、実際に自分がその立場になってみると疑問に感じることがありました。そこで、男女問わず、様々な立場の社員から聞き取りをして就業規則を改正することに。また、特に女性は子どもの病気や出産などで急に休まなくてはならないことがあります。そうした場合でも仕事が滞らないような仕組みをどう作っていくかなど、自分自身の体験を制度作りに活かし、男女ともに働きやすい職場環境づくりに努めました。
 また、仕事をしていると、子ども達と同年代の方と御一緒することがあります。そんな時は、仕事で感じたことを子ども達に伝えたり、逆に子ども達から意見をもらったりもします。若い社員が失敗やちょっとした躓きで悩んでいたりすると母親目線で心配になったりすることも。私にとって仕事と生活(子育て)はそれぞれ別個のものではなく、つながっているように感じています。

Work & Home Life in Yamagata
山形での仕事と子育てロールモデル集 2016年 発行
山形県子育て推進部若者支援・男女共同参画課