BCから執行役員へ笑顔とプラス思考で歩んだ道

プロフィール

関根 近子 さん

株式会社資生堂 顧問
ビューティーコンサルタント

 昭和29年最上町生まれ。昭和47年に資生堂山形支店にBC(ビューティーコンサルタント)として入社。平成3年に子会社「ディシラ」へ出向し、その後、数々の役職を歴任し平成26年に執行役員常務に就任。日経WOMAN 『ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013リーダー部門』受賞。平成27年12月に退職し、顧問となる。平成28年4月より酒田市へ戻り、約12年の単身赴任に終止符を打つ。夫と子ども(社会人)の3人家族。

言葉との出会いが行動を変える

 「今日という日は、残りの人生の中で、一番若い日です。何かを始めるのに、遅いということはありません。」38歳の時、社の講演会で出会った言葉の数々は、私の気持ちをプラス思考へと変えてくれました。プラス思考とは、「今ないもの」ではなく「今あるもの」に着目し、考えること。その頃、私は家族関係や仕事のことで悩んでいましたが、プラス思考に気持ちをセットすると、仕事もプライベートも変わっていきました。子育て、介護、結婚生活、それぞれに苦労がありますが、全て自分のキャリアになります。苦労した分、自分の経験で話せるようになり、「共感力」が育つのです。その時の講演内容は詳細にノートに書き溜めており、今でも私の考え方や行動の拠り所となっています。

新しい職場、新しい役職で得たもの

 資生堂山形支店でBC(ビューティーコンサルタント)として20年間勤務した後、新設された子会社「ディシラ」へ出向した時は、資生堂ブランドから離れたことでの壁を感じました。その時、肩書きがなくとも付き合える関係を築くためには、まごころで仕事をすることが大切だと実感しました。
 その後、管理職として様々な役職に就きましたが、「現場にいた頃の『こういったマネジメントが良いのではないか』と思っていたことを実践できる立場になる。」と思うとわくわくしました。
 女性初の営業本部長になった時は、大役に気負いがあり、男性に負けないようにと成績を追い求めていたら、部下が離れてしまったという失敗もしました。でも「これではいけない」と思い、「成績は結果であり、目標はお客様のため」と初心に帰って部下に素直に謝りました。自分の志を伝えると、徐々に部下との信頼関係ができていきました。
 新しい世界に飛び込んだり、役職に就いたりする時には、まず自分を信じること! 万が一、失敗しても、その経験が自己の視野・視座を高くしてくれます。
 また、役職についてからも、悩んだり、迷ったりした時には、上司にアドバイスを求めることも必要だと思います。

12年間の単身赴任を支えた家族との絆

親しい友人とラーメン店にて

 子どもが0歳の頃から保育園に預け、帰宅も不規則だったので、家庭では夫の協力が不可欠でした。夫はたくさんの愛情を子どもに注いでくれました。私も日々、感謝の気持ちを家族に伝えました。大切なのは時間の長さではなく、愛情の深さなのではないでしょうか。
 今まで12年間、単身赴任で自宅を離れていましたが、夫とは毎朝、電話をし合っていました。そうした支えの中で勤務した43年間を経て、2015年12月に資生堂を退職、山形に戻ってまいりました。これからも、元気になるようなお話を、たくさんの人に伝えていきたいと思っております。

Work & Home Life in Yamagata
山形での仕事と子育てロールモデル集 2016年 発行
山形県子育て推進部若者支援・男女共同参画課