建設業は自然の中での「作品づくり」

プロフィール

鈴木 美智子 さん

高谷建設株式会社 土木部

 昭和53年尾花沢市生まれ。工業高校卒業後、技術職として高谷建設株式会社に入社。平成19年結婚、その後出産。出産前に一級土木施工管理技士、出産後に二級舗装管理技士の資格を取得。夫、子ども2人(小学生、3歳)の4人家族。

工事現場で管理を担当

 私は、小さい頃から外遊びが大好きだったので、自然を相手にした外での仕事に興味がありました。高校進学の時、土木と農業のどちらに進学するか悩みましたが、父の勧めもあり工業高校の土木科に進学しました。卒業後に技術職として高谷建設株式会社に入社し、その後、職場で知り合った夫と結婚しました。
 今は、高速道路などを造る工事現場の管理業務をしています。夫も同業なので、仕事に対しての理解はお互いに得やすい環境だと思います。

子どもの誕生をきっかけに

 出産後しばらくは私の実家に同居していたのですが、しばらくして実家から車で10分くらいのところに家を購入し、夫、子ども2人、私の4人での生活をスタートさせました。はじめの頃は、なんでも自分がやらなければと思い、頑張っていたのですが、正直てんてこまいになってしまい、そんな私の姿を見た夫が「やっておくよ。」と進んで家事・育児を手伝ってくれるようになりました。最近は娘も、「お手伝いするね。」と自分から米研ぎなどをしてくれます。また、実家の母は毎朝7時に来てくれて、私が出勤した後、子ども達を送り出してくれます。今の生活は、家族みんなの協力、支えがあってこそ、ですね。

やりがいを感じる仕事

 結婚前は、時間を気にせず残業も休日出勤もしていましたが、結婚、特に出産後はそうもいかず、かといって現場管理という仕事柄、全て他の人に代わってもらえる仕事でもありませんので、仕事のやり方を工夫して、自分の仕事を終えてから休むというように時間の使い方が変わってきました。
 どんな分野もそうだと思いますが、仕事には責任感が必要です。まだまだ男性が多い業種なので、様々なプレッシャーや大変さもありますが、道路や橋など自分が関わったものは自分の作品のようにも思えます。そんな他の仕事では得ることができないような経験ができる、やり甲斐のある仕事だと感じています。

子ども達のお手本に

 ある時、私が遊具設営を担当した公園に連れていくと、「これはお母さんが作ったんだよね。」と子ども達がうれしそうに遊んでいました。子ども達には“母親の働いている姿を見てほしい”という気持ちがあります。将来、子ども達が仕事を持つ年齢になった時に、少しでもお手本になれたらいいですね。
 女性にとっては「建設業は大変だ」というイメージがあるかもしれません。確かに、屋外の仕事なので、夏は暑いですし、冬は寒いです。でも、その分、自然の中で季節を感じることができるいい仕事だと思っています。仕事の大変さに職種は関係なく、心持ち次第ですね。

Work & Home Life in Yamagata
山形での仕事と子育てロールモデル集 2016年 発行
山形県子育て推進部若者支援・男女共同参画課